課題の本質を見極めるエンジニア「矢倉祐也さん」

GRAFF TESTERS DESIGN株式会社

 

今回ご紹介させていただくのは、

GRAFFTESTERSDESIGN株式会社
矢倉祐也さんです!

現場のお悩みを” まっると “解決!
お客様それぞれにカスタマイズな提案を♪

10年後の” ものづくりの救世主 ”を目指す
フロントエンジニア企業です(≧▽≦)/

今回は、なんと!!

ゼロ から” フォーミュラカー “を作ったご経験をもつ、
矢倉社長にたくさんお話を伺ってきました!

 

Q. 矢倉社長がものづくりに興味を持ったきっかけを教えて下さい。

そうですね。もともと小さい頃からものづくりは好きでしたね。
そんな中でも一番のきっかけは、「 学生フォーミュラ 」ですね。この経験は私の人生において、大きな原点となりましたね。

 

学生フォーミュラとの出会い

大学進学前に「学生フォーミュラ」というものと、衝撃的な出会いをしたんです。これは、学生たちが一年間かけて一台の車をゼロから作りあげて、年に一回その性能やコンセプト、設計、コストといった総合力を競うものなんです。

私はこれを見た瞬間、自分もやってみたい!絶対にやりたい!と強く思ったんです!

学生時代の挑戦・ゼロからイチへの喜び

学生フォーミュラは大学の授業外の活動だったので、教科書など学校側から提供されるものは何もなかったですね。ですから企業主体の勉強会に参加したり、OBや学生間で情報交換をしたり、他の大学の真似をしたりして技術を取り入れていましたね。あと私たち学生が設計から部品加工、溶接まで行うんですが、必要なパーツや資材はスポンサーから提供を受けるんです。なので企業に足を運んで自分たちでプレゼンをしたりもしていましたね。

当時の私たちのチームはわずか5人で、毎日学校の授業が終わるとすぐにプロジェクトに打ち込み、夜遅くまで作業を続けることが日常でしたね。帰宅後も設計の再検討などしたり、より性能のいいものにするにはと試行錯誤の繰り返しでした。そして、一年で1台、引退するまでの間に3台の車の製作に携わりましたね。年々バージョンが上がっていく喜びと達成感は言葉では言い尽くせないほどでしたね。

 

人生の原点

「学生フォーミュラ」は私の人生において大きな原点となりましたね。その経験を通してものづくりの奥深さ、その厳しさ、面白さ、そしてそれによる喜びを肌で感じましたね。また自分で問題を見つけ、それを解決する力や新しい考え方を生み出す力、情熱などたくさん磨かれたかと思いますね。(笑)

※学生フォーミュラ公式サイトより https://youtu.be/1OA53MRa71E

 

ものづくりの魅力

Q. 矢倉社長が感じる、”ものづくりの魅力”とは何ですか?

本質的な魅力

そうですね。小さいころは、自分の考えたものが形になるというのがとにかく嬉しかったですね。(笑)ただ自分の作り出したもので、人々の問題を解決できることを知ってからは、喜びを超えて感動になりましたね!自分の製作物で相手が喜ぶ、笑顔になるというのは何ともいえないですね!それこそがものづくりの魅力、本質的な魅力かなって思いますね。

バンド仲間からの感謝

学生時代バンドをしていたのですが、当時ギターの音楽機材が不足していたんです。特に音色を変える「エフェクター」という装置は高価で、種類も限られていたので、みんな手に入れる事が難しかったんですよ。

そこで私は「自分で作れないかな。」と考えたんです。私にとってはフォーミュラからの自然な流れだったので、全く抵抗がなく一から作ることにしました。幸いなことに私は部品を加工できる環境にいたので、なんとか作ることができたんです。そしてその機材を音楽仲間に提供していたんですが、そのときの彼らの喜んだ顔は今でも忘れられないですね。ほんとに嬉しかったです。「ものづくり」で相手に喜んでもらった初めての経験でしたね。

 

 

「”問題解決の道具”を作り出す職業」

Q. 矢倉社長が選んだキャリアについて教えて下さい。

自動車業界からボールペン業界へ

学生フォーミュラを経験したことで、”一つの製品に最初から最後まで一貫して関われる仕事”に就きたいと思うようになったんですよね。そんな時、一つの製品を全面的に手掛けることができるボールペン業界に魅力を感じ、挑戦することにしたんです。

機械設計への道

ただ私が最初に配属されたのは、ボールペンの”自動組み立て装置”や”半自動組み立て装置”、さらに”品質評価のための試験機”の開発をする部署だったんです。そこでは「新製品の評価試験用の試験機を作ってほしい」「新製品の半自動生産ラインを作ってほしい」といった、社内で必要とされる装置の設計開発をしていましたね。

当初私が望んでいたのは、ボールペンそのものの設計だったんですが、いざ生産ラインや試験機の設計に携わってみると、その奥深さにどんどん引き込まれていったんです。それらの装置が「人々の問題を解決する道具であること」、その装置のお陰で「現場に笑顔がもたらされたこと」、それらに私は深い喜びと達成感を感じるようになっていましたね。そしていつしか、より多くの課題に向き合い、解決策を提供できないかと思うようになったんです。

 

新しい挑戦

そんな時、新しくチャレンジする機会がやってきたんです。自分の想いにより近い、試験機装置の専門メーカーに転職することができたんです。そこではスマホのフィルムの強度や自動車部品の耐寒性など、多くの素材に対する試験機の開発に携わることができたんです。求められる市場が大きく、より大きな達成感と喜びに満ちていきましたね。

 

 

ふたりのエンジニアときっかけ

Q. 創業のきっかけを教えて下さい。

尊敬するふたりのエンジニア

私には尊敬する二人のエンジニアがいるんです。

その一人は、釣り具ルアーメーカー、COREMANの泉社長。もう一人は、音楽機材メーカー、フリーザトーンの林社長です。彼らの共通点は、フィールドは違いますがいつも現場の最前線に立つことなんです。自分の目で見極め、現場に合う本当に必要なものを提供するという熱心な姿勢なんです。彼らの存在を知ってからは、いつか私も同じように、現場の最前線に立つエンジニアになりたいと思っていたんです。

創業のきっかけ

そしてその想いを早めたのは、2020年頃から始まったコロナの影響ですね。徐々に身近なお客様からも「今まで頼んでいたメーカーが廃業した」「事業の縮小で開発を止めてしまった」というお声を直接聞くことが増えていったんです。そのたび私は「私に何かできることはないか」「何とか解決できないか」と考えるようになったんです。

そしてそれらが心に積み重なって、昨年(2022年)踏み出す決断をしたんです。尊敬する二人のエンジニアのように、現場の最前線に立ち、一社でも多くお客様の問題解決に貢献したい、そう強く思ったのがきっかけでしたね。

 

「現場を大切にする」こと

Q. 矢倉社長が仕事を取り組む上で大切にしていることは何ですか?

現場の実情を理解すること、考慮すること

どのような人が

どのよう環境で

どのように使うのか

私が大切にしていることは、これらを理解し、考慮に入れることですね。

どんな機械が求められていて、どういった問題を解決すべきなのか、これらを見極めることで現場にぴったりと合う解答を出すようにしています。利用者が外国人である場合、またはベテランがスムーズに業務を進める状況など、様々なシチュエーションに応じてニーズと要件は大きく異なりますからね。あとは、使用する場所や環境にも配慮しています。例えば、作業場が狭く機械が密集しているような場所では、機械のサイズや操作性ついて慎重に考慮する必要がありますしね。

それと、設計の先にある加工現場についても同じですね。加工しやすいような図面・設計を心掛けています。現場の作業者にとって最大限の助けとなるような設計を目指しています。

 

Q. 矢倉社長が仕事で最も喜びを感じるのはどんなときですか?

やはり新品の機械を納入して「これで解決した!」とお客様が笑顔になる瞬間が一番ですね!なんとも言えません。

ただ、実はその時と同じくらい感動する時がもう一つあるんです。それは納入から数ヶ月後、現場で動き続けている我が子のような機械を見に行くときなんです。頑張って動いているその姿には、いつも感動させられますね。お客様の現場で何十万回も試験を重ねている。その一生懸命な姿を目の当たりにすると、まるで自分の子供が立派に成長しているのを見ているような愛おしさが湧き上がるんですよね。時にペン立てや張り紙などで装飾されて、まるで戦士のように頑張っている姿は、自分の子供が成長し人々を助ける心強い存在になったような嬉しさと誇らしさで満たされるんです!

 

Q. 休日の過ごし方を教えて下さい。

そうですね。家族と一緒に過ごしていますね。趣味の釣りをしたり、ショッピングモールへ行ったり、公園で遊んだりしていますね。そうそう!今年はプールに行く計画を立てています!子どもたちの嬉しそうな笑顔を見るのを今から楽しみにしています。(笑)

また最近のお気に入りはスーパー銭湯です!家族みんなでハマっていて、それが週末の楽しみの一つになっていますね!その近くで遊んだ後、お風呂に浸かる…最高のリフレッシュになりますね!(笑)

 

 

現場の理解を深めたい

Q. 矢倉社長の未来へのビジョン、挑戦したいことを教えて下さい。

そうですね。まず一つは、

現場の理解を深めたい

私は、製造業の本質はすべて現場にあると思っているんです。ものづくりの中心には、”使用するお客様”、”加工する作業員”、そして”設計するエンジニア”がいます。それらは単独ではなく、すべて結びついているんです。いいものを生み出すためには、現場を知ることが欠かせないと思うんです。この考えは以前より強く意識していますし、今後さらに探求していきたいなと思っています。

また、少し大きな夢を語るなら、私は「 時代を背負うエンジニア 」になりたいと思っているんです。(笑)

国内製造業を支えたい

あと、国内の製造業を支える存在になることが目標ですね。いま製造業は人手が不足していて、特に設計者が極端に少ないのが現状なんですね。例えば、機械製造メーカーはエンジニア不足に苦しんでいます。今設計しているのは、ほとんどが50代、60代といった団塊世代なんですよね。10年後この状況がどうなるか。。

まさに製造業界は、”新たな製品を創り出すエンジニアの不足”という深刻な問題に直面しているんです。既存の製品の図面があれば同じものは作れますが、全くの新しい製品を作るとなると、それを設計するエンジニアがほとんどいないんです。そしてこれが続けば、新製品を自社で設計し生産する企業が少なくなり、製造業界全体が停滞してしまう恐れがあるんです。

そこで私はゼロから製品を設計するエンジニアとして、この問題解決に全力を注ぎたいと思っているんです。顧客が”これを作りたい”と望む声に直接耳を傾け、それを現実に変える自由な設計の現場を作りたいと考えています。国内製造業の進化を支えるエンジニアになるのが大きな目標ですね。

 

AIでは代替できない領域・・

AIによる設計も考えられますが、やはりAIでは解決できない部分があると思うんです。それは、ゼロから考えて設計するという部分かなと思っています。現場を知りいろいろな状況を考慮にいれ、そして想像しながら設計するというのは、単純作業ではなく、答えも一つではありませんからね。

例えば人間が設計すれば、同じ設計でも、全く異なる個性の製品が生まれますよね。そしてその中で大切なのは、現場をどれだけ想像して製品を作れるか、ということになってくるんですよね。それはAIでは代替できない領域だと思うんです。人間の目で見て確認し、それぞれの現場にあったものをカスタマイズすることが必要ですからね。

 

 

インタビューを終えて・・・

どんな質問にも、矢倉社長は丁寧にそして私の理解度に合わせて分かりやすく説明してくださいました。社長の「相手の目線に」・・を実感することができました。学生時代の車作りの壮大なプロジェクトからは勇敢さと情熱が伝わりました。その経験が矢倉社長のビジネス哲学の根本を作ったと考えると、深く納得しました。またお客様一人ひとりと真摯に向き合う姿勢は、AIでは再現できない、人間特有の視点であり、矢倉社長の相手を想う真心があるからこそだと思いました。社長のものづくり、製造業への深い献身と国内製造業を力強く支えたいという強い意志、情熱的なメッセージは私の心に深く響きました。ずっと話を聞いていたい、そう思わせて頂いたインタビューでした。お忙しい中、長時間のインタビューにご協力頂きありがとうございました。

 

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