伝統を重んじながら革新し、継承する「佐藤丈幸さん」
今回ご紹介させていただく達人は、有限会社 栄久堂の専務取締役である佐藤丈幸さんです。
”栄久堂は1924(大正13)年、佐藤栄造と久作という2人の青年が、「優れた書物を後世に残したい」との思いから御皇室で保管されている傷んだ書物を直す事業を始めました。
それから約100年の歳月が流れ、情報伝達手段は紙からインターネットへと劇的に変化しています。それでも私たちは、紙でしか表現できないこと、紙だからこそ伝わることがあると考え、あえて紙にこだわり続けています。100年前の栄造と久作が次世代への架け橋を担ったように、現代の人々の熱く深い思いを紙に載せて、後世に伝えます。” 栄久堂HPより抜粋
製本の伝統を重んじつつ、斬新なデザインとアイディアで革新的な事業を展開しています。
そんな佐藤さんにいくつか質問をしてみました。
佐藤さんのプロフィール
専務取締役 佐藤 丈幸
(プロフィール)
1972年生まれ。高校卒業後に渡米し、ノースカロライナ大学ファイン・アート学科でグラフィックデザインや彫刻、写真、油絵などを学ぶ。卒業後は現地のデザイン事務所にてグラフィックデザイナーとして勤務。帰国後は広告制作会社勤務を経て、1999年に栄久堂入社。2009年より現職。
佐藤さんの製本の経験年数は?
22年
自社の自慢は?
様々な本を作ること(書籍、雑誌、ノート、etc)
培われた製本加工技術
一般的な製本から、前例のない製本まで
アートブック
並製本(ソフトカバー)・上製本(ハードカバー)
プレミアムブック
ノートブック
得意な加工法は?
並製本
※並製本は、接着剤や針金や糸、リングなどで簡易に綴じられた冊子です。綴じ方によって「中綴じ」「無線綴じ」などに分類されます。
並製本の特徴として、表紙は柔かく、本文と同じ大きさとなります。上製本と比べると簡易な作りの反面、低コストで作成できる点がメリットです。
並製本はソフトカバーとも呼ばれ、週刊誌や雑誌、新書、文庫本など、日常において目にすることが多い製本方法です。
これは自慢出来る!という製品や加工を教えて下さい
縦1000ミリ、左右700ミリほどの超大型本
経験されている中で、大変だったことは何ですか?
これから挑戦してみたい事は?
もっともっと面白い本を作って、情報発信していきたいです。
”栄久堂には、手作りで仕上げ、本自体がモノとしての価値を有することになる「工芸製本」の技術が受け継がれています。機械では作れないサイズの本や、これまでに見たこともないようなデザインの本、あるいは個人の方がご依頼くださる世界で一冊だけの本まで、どんなアイデアに対しても最大限に可能性を追求して実現してきました。そうして生み出されるのは、単に活字で情報を伝えるだけではなく、見た目の美しさや手触り、匂いといった五感にまで訴えかけていける本です。”
”現代の本作りに問われるもの、それは見た目やデザイン、質感も含めた企画力です。工業製本と工芸製本を両立できる存在として、栄久堂はこれからも本作りに携わる方々の「わがまま」をたくさん聞いて、斬新なアイデアにワクワクしながら、企画を実現するためにできる限りの努力をしていきたいと考えています。”
栄久堂HP抜粋
今後も栄久堂さんの作品から目が離せませんね!
佐藤さんありがとうございました。